これから始めるバックカントリー★道具を揃えよう! #2 バックパックの巻

作成:2014年12月1日
改訂:2024年12月5日

バックカントリーを楽しむにあたり必須アイテムのバックパック。

バックパックの購入にあたってよくある失敗、後悔しないバックパックの選び方をご案内しますので初心者の方はご参考にしてください。

購入時の考え方

様々なメーカーから、様々なモデルのバックパックが発売されていますがどれを選んだらよいのでしょうか?

あなたにとってベストなバックパックは、あなた自身の使い方(頻度、行動時間、滑走具の種類)によって異なります。
ただし、これからバックカントリーを始める方にとっては、始める前からそんなことがわからないためにどれが良いのかわからないということになるのだと思います。

初心者の方に多い行動パターンを前提に必要な機能などを案内しています。

大原則

まず大原則として、バックカントリー用のバックパックを購入すること。
バックカントリー用のバックパックであれば、大失敗のリスクをかなりの確率で避けられます。

逆にバックカントリー用でないものを選ぶと、滑走具の固定機能など必須の機能が備わっていないため全く使えないということになりかねません。
また、これから案内するその他の必要な機能の大半を備えておらず失敗の可能性が高まりますのでご注意ください。

バックパックの目的

まず、なぜバックパックが必要か? 荷物を運ぶためです。

飲料や食料、保温具、レスキューギアなど、加えてハイク時には滑走具、滑走時には登山具の運搬が必要となります。

チェックポイント

それでは具体的なチェックポイントを挙げていきます。

①背負いやすさ

ショルダーベルトのパッド、ウエストベルトのパッド、背中のパッドに十分なクッション性が備わっているかを確認してください。

少し歩いただけで肩や背中が痛くなるようなバックパックは後悔必至です。
各ベルトなど調整機能があればご自分の体型に合わせて体への負担や痛みを減らせます。

ウエストベルトは必須です。できればパッドがあってポケットのついているウエストベルトを備えているモデルを選んでください。

買ってはいけない

  • ショルダーベルトがペラペラ
  • ショルダーベルトが極細
  • ベルト類の長さ調整ができない
  • ウエストベルトなし

②板やスノーシューの固定機能

スキーやスノーボードなどの固定機能は必須。
運搬が必要となる携行品のうち最も大きなものが滑走具です。この固定機能がないとバックカントリーで大変な困難に見舞われるため、こちらの機能は必須です。

とりわけスノーボーダーにとって重要なポイントです。ハイク時にはスノーボードを、滑走時にはスノーシューを必ず運ばなければなりません。

スキーヤー、スプリットボーダーについては、板が登山具を兼ねますのでハイク時に背負う必要はりませんが、シール登行(板を履いてのハイク)ができない状況が現れた際には運搬の必要が出ます。

固定方法

バックパックによって備える固定方法が異なります。自分の滑走具が運べる固定方法があるものを選んでください。
中には、スキーかスノーボードのどちらかしか固定できないモデルもあるため注意が必要です。

  • Aフレーム固定(スキー・スプリットボード)
  • ダイアゴナル(スキー・スプリットボード)
  • スノーボード縦固定
  • スノーボード横固定
  • スノーシュー固定

スノーボードについては、縦固定できればまず問題ないため横固定機能はなくても困ることは少ないでしょう。スノーボードが縦固定できれば、スノーシューも簡単に固定できます。
逆に、横固定しかできないものはバックカントリーでは使い物にならない可能性が高いです。

スキー、スプリットボードについてついては、ダイアゴナルで固定できればまず問題ありません。
ただ、Aフレーム固定の方が運搬しやすいため、特に今後標高の高い山や行動時間の長いバックカントリーを考えている場合には、Aフレーム固定ができるモデルを選ぶのがおすすめです。

③アバランチギアの収納性

アバランチギアの収納スペースが十分であることを必ず確認してください。

ショベルの柄やプローブが収まらないという当店へのご相談がよくあります。
せっかく購入したバックパック、あるいはプローブなどを買いなおす方が少なくありません。
十分な収納スペースがあることを必ず確認してください。

加えてアバランチギアと他の荷物を分けて収納できるよう、アバランチギアの収納スペースが独立しているものを強くおすすめします。

収納スペースが分かれていないものは、バックパックの中の確認や荷物の出し入れが大変にわずらわしく、また濡らしたくない荷物を濡らしてしまう可能性があります。

④サイズ

行動パターンによって大きく変わってくるのが必要となるサイズ。

まずは、具体的にどんな荷物を携行運搬するのか確認してみましょう。
初心者の方でも必須の最低限の携行品を挙げてみます。

スキーヤー・スノーボーダー・スプリットボーダー共通

  • 飲み物
  • 食料、行動食
  • スマホ
  • ダウンなど保温具
  • レスキューギア(プローブ、ショベル)
  • ゴーグル、サングラス

スキーヤー

  • クライミングスキン
  • スキーアイゼン

スノーボーダー

  • スノーボード
  • スノーシュー
  • ポール

スプリットボーダー

  • クライミングスキン
  • スプリットボードクランポン

15~20L:リフトアクセスのバックカントリー(サイドカントリー)
20~25L:短い移動距離、短い時間のツアーのみ想定する場合は20~25L。
25~30L:初心者の方であれば、ずばり汎用性の高い25L~30Lがおすすめ。
30L以上:ゆくゆくは、標高の高い山や移動距離の長いツアーにチャレンジするつもりなら30L以上がおすすめ。

⑤バックパネルの有無

背面側からのバックパック内へのアクセスができるモデルは荷物の出し入れが非常に用意です。
特にスノーボーダーにとっては、背面アクセスがないと板やスノーシューをつけたままの荷物の出し入れに非常に手間がかかるため必須と言えます。

長い行動時間のツアーを想定し、板をかつぐ状況を考えられるようなスキーヤー、スプリットボーダーについても背面アクセスがあると荷物出し入れの効率が非常によくおすすめです。

⑥グローブをしたままでの操作性

ジッパーやバックルがグローブをしたままでも操作しやすいこと。
バックカントリー用とうたっているバックパックであれば、ほとんどがこの要件を満たしているとは思いますが、稀にそうでないものみかけるためご注意ください。

バックカントリーでの行動は、できる限りグローブをつけたままでいることが望ましいです。グローブを外して手を濡らしたり風にさらすことによる手の冷えを防ぐためです。
また、グローブの着脱が多いほど時間を浪費します。

⑦その他の注意点

  • 雪詰まり防止バックルを使用していること。一般的なバックルは雪が詰まって着脱ができなくなる可能性があります。
  • 防水性があること。防水性の低いものは荷物がぬれる可能性があります。
  • 極端に軽いもの。耐久性が低い可能性があります。

チェックポイントを抑えて失敗防止。後悔しないバックパックを選んでください。

当店おすすめ

【Mammut】Nirvana

バックカントリーに強いアウトドアブランドと言えば、ビーコンなどのアバランチギアも販売しているマムートです。
マムート製のバックパックは、基本的なチェックポイントはもちろん抑えられているうえ、アバランチギアやゴーグル、財布などの小物など各アイテム用に設けられた収納スペースの使い勝手が良いのが特徴です。

行動時間の長いコアなバックカントリー愛好者の使用に耐えるだけではなく、初心者にも使いやすいバックパックです。

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