先日、ゴアテックスについて質問があったのでご案内します。
ゴアテックスには大きくわけて3タイプあり価格も性能も異なります。
”ゴアテックスなら何でも一緒” と思ってた人は参考にしてください。
参考:ゴアテックスの性能を最大限に発揮させるインナーはこちら!
ゴアテックスとは
まずゴアテックスとはなにか。外側からの水(雨)や風を通さず、内側からの蒸気(汗)を逃がすフッ素系のメンブレン(フィルム素材)です。当店でも取り扱うマムート、アウトドアリサーチ、モンベルなど様々なブランドがこのゴアテックスを使ってウェアやグローブなどのアウトドアウェアを作っています。
ゴアテックスと名のつく素材は全て、防水性、防風性、透湿性の3つの機能を備えています。
参考:ゴアテックス ウェブサイト www.gore-tex.jp
※ウインドストッパーという素材については、ゴアテックスと同じゴア社で開発された素材ですが、防風性や透湿性、雪や雨をはじく機能はあるもののゴアテックスのような高い防水性能はもちません。
参考:ウインドストッパー ウェブサイト: www.windstopper.jp
ゴアテックスの種類
ゴアテックスには、大きくわけてGORE-TEX®(ゴアテックス)、 GORE-TEX® Active(ゴアテックス アクティブ)、そしてGORE-TEX® Pro(ゴアテックス プロ)の3種類ありあります。それぞれに異なる特徴を持っています。
GORE-TEX®(ゴアテックス)
優れた防水性、防風性、透湿性を備えたゴアテックスの汎用タイプです。素材自体の価格は他のゴアテックス素材と比較すると安価だと思われます。
2レイヤー(2層構造)、3レイヤー(3層構造)のものがあります。
※レイヤーについては下記で説明しています。
PacLite®(パックライト)・・・ゴアテックス パックライトは、汎用ゴアテックスの中でもパックライトという仕様が採用された2レイヤーの軽量で収納性にすぐれたな素材です。主に、ランニングや自転車、ハイキング用のウェアなどに使われます。
GORE-TEX® Active(ゴアテックス アクティブ)
ゴアテックス素材の中でも最高度の透湿性を持った軽量な素材です。激しい有酸素運動や短時間での活動に適しています。ランニング、クロスカントリースキー、アルパインクライミング、マウンテンバイク、バックカントリーなどの ”ストップ&ゴー” を繰り返し大量に汗をかくアクティビティー向けのウェアなどに主に使用されます。僕自身は、このゴアテックス アクティブで作られたアウトドアリサーチのAxiom Jacket(アクシオムジャケット)を持っていますが、とても軽量でコンパクトになり、汗をかいてもこもりにくくバックカントリーや、その他のアウトドアアクティビティー、旅行の際の携帯用の雨具として重宝するので愛用しています。また、生地が薄くとてもしなやかで動きやすいです。
GORE-TEX® Pro(ゴアテックス プロ)
近年に開発された、Gore-Texの改良版です。最高度の丈夫さを追求。あらゆる過酷な環境や厳しい気象条件下での活動に適しており、エクストリームな環境で使用を想定して作られています。従来のGore-Texと比較して透湿性が28%向上しています。(ソース)泊まりの山行や、スキー、スノーボード、フィッシングやモーターサイクル、ガイド向けのウェアに使われます。
このゴアテックス プロで作られたウェア類は比較的価格も高いことが多いように思います。
GORE-TEX® Pro紹介ムービー
複数のGORE-TEX®素材をミックスして作られた製品もあります。
適材適所に異なるゴアテックス素材を組み合わせることによって、丈夫さ、重量、価格などのバランスがとれた製品が作られています。右のフーリオジャケットは、強度が必要となる肩などにゴアテックス プロ、本体にはゴアテックス パックライトを使用することによって軽量化やコストダウンがはかられた製品です。
レイヤーとデニール
さらに、これらのゴアテックスの素材にも、基幹となるメンブレン(フィルム)をサンドイッチする生地のレイヤー数とデニール数で強度や重量などが異なります。
レイヤー
レイヤーとは、層の数をあらわします。
2レイヤー(2層構造)
GORE-TEX® メンブレンを表生地のみにラミネート(貼り合わせ)したもので、メンブレンを保護するために裏地付きで使われます。おもなアイテムとしては、メッシュ素材などをダウンや中綿などとの組み合わせで保温性重視のジャケットやパンツにも使われます。
この構造が使われているプロダクトクラス
ゴアテックス、ゴアテックス プロ
3レイヤー(3層構造)
GORE-TEX® メンブレンを表生地と裏生地の間にサンドイッチ状にラミネート(貼り合わせ)した一枚地のファブリクスです。おもなアイテムとしてはレインスーツ、アルパインジャケット・パンツなどがあります。摩耗や引き裂きに強い、耐久性のある製品が多くつくられています。
この構造が使われているプロダクトクラス
ゴアテックス、ゴアテックス アクティブ、ゴアテックス プロ
デニール
デニールとは糸の太さをあらわしています。同じ素材なら数値が大きいほど生地が厚く、面積辺りの重量が重くなりますが、その分丈夫になります。
ゴアテックスメンブレン(フィルム)を挟むの表生地や裏生地には、主にナイロンなどが使われこれらの生地がデニールで表されていることがよくあります。
例えば、下の写真のORのメンタージャケットはゴアテックス プロで作られていますが、本体(明るいオレンジの部分)は40デニール、肩や腰などより強度を求められる部分(濃いオレンジの部分)には、70デニールの素材が使われています。
まとめ
ゴアテックスについて知識を深めて頂けましたか? でも必要となるのは知識じゃなくて、実際にフィールドに出た時のその性能ですね。ウェア選びの際のご参考にしていただければ幸いです。
ゴアテックスの製品をゲットしたら、その優れた性能を体感してみてください。
ソース
https://www.gore-tex.jp/
http://www.gore-tex.com/
http://www.gore.com/
http://www.outdoorresearch.com/blog/stories/whats-the-difference-between-gore-tex-gore-tex-active-and-gore-tex-pro
製品に関するお問い合わせはお気軽にどうぞ。
お問い合わせフォーム
mail:shop@outdoorgear.jp
ゴアテックスの性能を最大限に発揮させるインナーは?
せっかくのゴアテックスの透湿性も、吸汗拡散性の高いインナーを着用しないと効果が発揮されません。
ゴアテックス ムービー
ゴアテックスの優れた機能を紹介するムービーです。