北穂東稜、滝谷第4尾根

こんにちは、松田です。

4月の22,23で北穂東稜と滝谷4尾根に行ってきました。

北穂東稜・滝谷第4尾根 1日目

6:10 上高地
9:00 横尾
11:00 涸沢
13:15 東稜、稜上
15:30 北穂

GWの穂高は何度か行ったことがありますが、GW前の穂高は小屋開き前ということで人もほとんどおらず上高地から静かな山歩きでスタート。

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5月下旬にはニリンソウが咲く徳沢までの歩きも4下旬はふきのとうがいっぱいでした。屏風岩は大きな落石の音が響いていました。

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本谷橋下部から沢はずっと埋まっているので雪渓上を涸沢まで歩きます。まだ小屋開き前ということでトレースはあまりありませんでした。

でも、残雪期の雪は歩きやすく快適に進みます。雪渓の状態は所々クレパスの赤ちゃんができていましたが心配な所は特にありませんでした。

4月の涸沢はまだ雪がびっしりです。涸沢ヒュッテ、涸沢小屋ともに小屋開きの準備で忙しそうでした。

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北穂東稜へは北穂沢を登ります。一般的にアプローチに使うゴルジュは雪崩の心配があったので左から急な斜面を登り東稜のコル(下)を目指します。

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今年は春の雨が多かったので稜線上の雪が少なめかなと2週連続で山に行って思います。東稜も不安定な雪庇はほとんど落ちていました。

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ゴジラの頭からコルへは夏場なら懸垂が10mほど出ますがトラバースとクライムダウンで通過。シュルンドが隠れているので注意が必要です。

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他の人の記録と比べると岩がたくさん出ているのがわかります。今回はずっとコンテで進みましたが雪が不安定だと感じたらスタカッドしてくださいね!

北穂の冬季小屋は小屋開きの準備のため使えず松濤岩のコルにテントを張りました。滝谷側から風が吹きぬけますが斜面を削って快適なテンバを設営しました。

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北穂東稜・滝谷第4尾根 2日目

松濤岩 4:45
スノーコル  6:00
Bカンテ 7:45
ツルム 10:20
Dカンテ 10:30
稜線上 12:00
松濤岩 13:00
上高地 17:10

マイナス6℃の中C沢を下ります。左の写真の正面の沢がC沢左俣、結構傾斜があります。今回唯一ダブルアックスを使ったのがこのクライムダウン。カチコチなので朝イチは気をつけてください。

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第4尾根の取りつきとなるスノーコルはC沢右俣との二俣からすぐの斜面、視界が良ければすぐにわかります。スノーコルから登攀開始、コンテとスタカッドを混ぜて登ります。

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A~Dカンテとリッジ登攀がメインの4尾根ですがほとんど雪は残っておらずあまりアックスを使うことはなく手袋でのクライミングが続きます。

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4尾根は最後の2ピッチ以外はⅢ級程度のピッチが続きますが侮ることなかれ!4月ですが浮き石は多く、思った以上に悪く感じました。Aカンテではスラブをトルキングで超えました(笑)

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Bカンテは通称馬乗りカンテ、馬乗りにならずともC沢側にスタンスはありますがそこはやっぱり馬乗り!さすがにアイゼンでは歩くのは無理でした。

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9時ころを過ぎるとようやく滝谷にも日が当り始め暖かくなります。「飛ぶ鳥も通わぬ滝谷」とは言いますが飛びまくりで鳥ののさえずりに心癒されます。

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正面は岩だらけですが振り向くと笠ヶ岳が綺麗です。

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CカンテはD沢側に少し巻き気味に登攀、やっぱり若干悪い!ホールドが甘いので草つきアックスでの楽しいクライミングができます。

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ツルムからの懸垂下降は残置スリングはありますが下降点に大きな浮き石があるので注意!滝谷は予想以上に多きな岩も動きます。

下降後はDカンテ核心の2ピッチ。1ピッチ目は顕著なチムニー、体はやっと入るもののザックがあるとかなり厳しいです!今回一番疲れたポイントでした。

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2ピッチ目はグレード10a、Ⅳ級A0、最後のかぶったカンテは気合を入れていくも出口のクラックが難しくA0で突破。いやぁ~修行が足りませんね!

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Dカンテを越えると事実上の登攀終了点ですがここからが油断禁物!松濤岩までの一般縦走路の穂高主稜線はトラバースあり、ミックスありで緊張感があります。気を抜かないように!

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松濤岩からはシリセードで一気に下降、涸沢までは20分弱。でも雪山初心者だったころの5年前の自分は北穂沢の傾斜にビビっていったのを思い出します。安全に下ってください。

バスの時間に間に合わせるべく急ぎ足で歩いたら北穂から上高地まで3時間45分で帰れました。でも、このタイムは当てにしないように!かなり足を酷使するペースなので!

4月の北穂東稜と滝谷は天候にも恵まれ快適なクライミングが楽しめました。やっぱり今年は稜線上の雪が少ないかな?雪が少ないということはその分落石などの危険性が高まるので注意が必要です。

穂高の山小屋はGWに向けて急ピッチで準備をされています。涸沢がテント村になるのももう少しですね!今年のGWは長いのでのんびりとアウトドアを楽しんでください。

ではでは