ファイントラック ポリゴネストのご紹介・使用レポート#1 南アルプス荒川三山

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こんにちは。カズです。

今回は気になるシュラフ、ファイントラックポリゴネストを紹介したいと思います。

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化繊?ダウン?理想のシュラフとは

まず、シュラフ選びにおいて頭を抱えるのが保温性と重さと濡れに対する強さのバランスです。

重くかさばるのと引き換えに濡れに強い化繊シュラフを使うか、軽量コンパクトで保温性も高いが濡れには弱く、取扱いに注意が必要なダウンシュラフを使うか。

このような悩みはシュラフを買うときに誰しもが抱えたことがあると思います。

その中でも特に縦走登山、冬山などで長期山に入る人にとって毎日「快適」に睡眠できるかは大きな問題になってきます。

しかし、快適な睡眠のために重くかさばる化繊シュラフを選ぶとザックは膨らみ毎日のパッキングや歩行において重さと大きさがストレスになります。

一方、軽量コンパクトなダウンシュラフを選ぶと重さ、大きさのストレスは少ないですが雨天時や長期の使用ではシュラフを濡らさないために多大な労力とストレスがつきものです。

そして、ダウンシュラフでは外側からの濡れを防いだとして発汗によるシュラフ内部からの濡れによって日に日にロフト(かさ)は低下し保温性は失われていきます。

また、僕みたいな沢登り愛好家は必然的に濡れた状態での使用の機会が多くなり、濡れに対する強さはとても重要になってきます。

理想のシュラフは軽量・コンパクトで保温性が高く、更に濡れに強い。

長年の化繊綿シュラフとダウンシュラフとの戦いにちょっと待ったをかけるシュラフ界のニューフェースがファイントラックのポリゴンネストです。

化繊とダウンのいいとこ取りの新素材ファインポリゴン

ポリゴネストシリーズのシュラフにはファイントラックが独自に開発したファインポリゴンという新素材が使われています。

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ファインポリゴンはシート状の繊維で複雑な凹凸がついています。ポリゴンネストシリーズのシュラフはこのシートを重ねることでデットエア(暖かい空気)を蓄え保温性を維持するという今までのシュラフにはない画期的なシステムを取り入れています。

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複雑な凹凸が反発し多くのデッドエアを蓄える。

シート状の素材はダウンのように濡れてロフトダウンすることもないため水濡れに強く、また従来の綿素材の化繊シュラフと比べて軽量・コンパクトになるというのが特徴です。

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ファインポリゴンと700フィルパワーダウンとの濡れた状態でのロフト比較

また、シート状の素材は水を抱きにくく、優れた速乾性を持つのも利点の一つです。

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各シュラフでの完全に濡れた状態から乾いた状態に至るまでの時間。※2分間脱水、20℃、無風状態

以上がざっくりとしたファインポリゴンとポリゴンネストシリーズの紹介です。

水濡れに強く、尚且つ軽量・コンパクト新素材シュラフ、ポリゴンネスト。気になる人は多いのではないでしょうか?そしてそんな夢のシュラフは実在するのでしょうか?

化繊綿・ダウンの二大政党が独占する現代のシュラフ事情において決してお値段の安くはないこの「新素材型シュラフ」に挑戦するのは勇気がいることだと思います。

ポリゴネスト使用レポート

そこで、そんなポリゴネストシュラフを僕が実際山で使用し、感想を「ファイントラックポリゴネストシュラフ使用レポート」として数回に分けて報告していきたいと思います。

気温8℃、夏の南アルプス荒川三山縦走

夏の南アルプス荒川三山縦走でポリゴンネスト4×3(使用可能下限温度7℃)を使用した際のレポートです。

使用条件

日程:2015年7月9~10日
場所:南アルプス南部 千枚小屋 2565m

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ポリゴンネスト使用下限温度チャート

 

まずはシュラフの大きさは1.0Lのナルゲンボトルを一回り大きくしたぐらい。ナルゲンボトルと比べてこの大きさは化繊シュラフと比べてサイズ的には圧勝、嬉しいサイズです!DSC_1198

南アルプス荒川三山は3000m級の稜線が続く日本の中でもスケールの大きな山塊です。今回のテント場は千枚小屋、標高2565m。テント泊の予定でしたが小屋開き前で小屋の方のご厚意により冬季小屋に宿泊しました。

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夏山、小屋泊とはいえこの日はバケツをひっくり返したような雨と暴風が吹き荒れる悪天候。小屋付近の最低気温は8℃~10℃前後で使用下限温度7℃のポリゴネストを使うにはいい条件でした。

さて、まずシュラフに入って思ったことはこのペラペラのシュラフは本当に保温性があるのか?という疑問。

そして、シュラフに入って20分・・・あれ?寒い・・。あまり暖かくないという噂は本当だったのかという悪い考えが脳裏をよぎります。

しかし、そのまま待つこと更に20分、だんだんとシュラフが暖かくなってきました!

その後は何事もなかったかのように暖かさが続き朝までぐっすり。ポリゴネストはシート状の構造のため入ってから暖かくなるまで(デットエアをため込むまで)時間が少しかかるというのが今回のテストでわかりました。

しかし、保温性はしっかりしていて、メーカーが定めている使用下限温度付近での使用でも特に不安を感じることはありませんでした。

そして、後々の使用でわかったのですがダウンシュラフと同じように使う前に軽く振ってシュラフ全体に空気を含ませてあげると早く暖かくなります。

今回のレポートでは夏山用モデルの4×3単体で使用下限温度付近での使用については十分な保温性を発揮することがわかりました。

濡れに対する強さなどについてはまた報告していきたいと思います。

体感温度については個人差があります。女性の方や寒がりな方はワンランク上の商品の使用をお勧めします。

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